第1回プール講習会 レポート


 魚がいないから安心して潜れる!?


 「入門者のスキルアップを図りつつ、突き人が交流できる場を作れないだろうか?」 そんなスタッフの思いつきから企画された今回のプール講習会。 シーズンインを前に有意義な会になった、はず!


 協会の発足以来、活動の中心にあったのがジャパンカップ。毎年、盛況ではあるものの、離島での開催ということもあって、経験のない人にとっては、ちょっと敷居が高いのも事実。また、運営者としてはすべての人に門戸を開いているつもりでも、閉鎖的な大会・団体ととられている感もあった(実際はそんなことはありませんよ!)。

 「入門者は技術向上を図れて、協会は活動を周知できるような講習会をつくれないだろうか?」 そんな思いつきから、「プール講習会プロジェクト」がスタートした。

 

 会場となったのは「横浜国際プール」。フリーダイビングの基礎的な情報と魚突きの技術について2時間の座学を行なったあと、25×25×水深5mのダイビングプールを貸し切り、フィンワークと効率的な潜行方法についての講習を2時間行なった。

 講師は水深60m以上潜り、スタティック(息こらえ)では6分以上の記録をもつフリーダイバーの野口さんと、昨年度のフリーダイビングの世界大会の選手でもある菅さんの2名。協会からは会長の丸山が出張し、魚突きに有効な酸素を浪費しにくい無駄のない潜行方法などを教授した。



 フリーダイビングの座学では、効果的な呼吸方法や、日常でもできる練習方法、潜水時に人体に起こる生理的な変化などを解説。我流で潜っている突き人たちには目から鱗が落ちるような情報も多く、野口さんによる横隔膜のコントロール方法の解説では感嘆の声があがった。

 

(左)横隔膜のストレッチについて解説するフリーダイバーの野口さん。「息を吐ききったあと、横隔膜を引き上げると横隔膜が柔軟になります」


(右)柔らかな風貌とは裏腹に、水に入るとイケイケな菅さんは魚突きも楽しむフリーダイバー。「個人的に好きな魚は●●●●」

 

 

腹式呼吸を超える、高効率な呼吸法、「完全呼吸+パッキング」

「息を整えたら…」 「腹式呼吸でまず腹側に空気を入れ・・・」 「今度は胸側に空気を入れて・・・」 「吸いきれなくなったら口をポンプにして空気を押し込む!」

 

 フリーダイビングの講習のあとに、実際の魚突きへの応用方法を引き継いだのは会長の丸山。水深30m以深で2分以上待って魚を突いていた経験から、より深い水深に潜り、帰ってくることに主眼を置くフリーダイビングと、水底まで効率よく潜って長くとどまる魚突きのスタイルの違いを解説。より実戦的な潜り方を伝授した。

 



 「魚突きの突果を飛躍的にのばす秘訣は、水中での滞在時間を長くすること。無駄のない潜行と浮上がカギ」と丸山。深く長く潜るためのウエットスーツのウエイトの調整やフィンのチョイス、魚のいるポイントの見つけ方などを解説。

 

 

 座学を学んだらいよいよ実技指導へ。着替えて向かったダイビングプールは驚きの大きさ! 水面を3つに分け、効率的な水平移動に役立つフィンワークを解説する野口さん、無駄のないジャックナイフと潜行方法を教える菅さん、魚突きに最適な潜行方法を担当する丸山の3講師をローテーションするかたちで、講習を行なった。

 

(左)ジャックナイフで潜行後、ボトムに手をついてフィンキックをすると、キックの芯がぶれているかどうかがわかる。さすがの美しさの菅さん。(中)野口さんは25mをフルに使い、基本のフィンワークを伝授。(右)「魚突きではとにかく酸素を使わないこと」と語る丸山は無駄のない潜行法を教授。

 

 

 講習中の参加者の潜行・遊泳する姿をスタッフが動画で撮影するサービスも展開(Youtubeにて閲覧可能!)。なかなか見る機会のない、自分のフィンワークをチェックすることもできるようにした。「自分ではできているつもりだったのに、無駄が多いことがわかった」などの声も多数。

 2時間の枠をフルに使いきり、体も冷えたところで講習会はひとまず終了。その後、希望者だけで行なわれた懇親会では、講習会では話しきれなかった技術のことや、道具の作り方などを各スタッフから聞き取る参加者も。浅く広く情報を網羅した講習会とは別に、より実戦的な情報を望む声も聞こえたので、次回は具体的な経験をシェアする魚突き講習会も企画することに。告知は当HPにて!

 




 最後にプールサイドでオヤジだらけの記念撮影を敢行! 段取りや移動、解説内容などの不備について、参加者から指摘をいただいているので、次回はその点をカバーし、コンテンツをさらに充実させます!