初心者Q&A

こちらのページではスタッフが安全に楽しく魚突きをできるまでに蓄えた経験や、 皆様からの質問をまとめてご紹介したいと思います。

獲れる魚について

Q. どんな魚を獲るのですか?
A. 食べて美味しい魚、毒のある魚を知ることから。

 「海に潜って魚を突き、自分で獲った魚を食べる。」
まずは食べてうまい魚を知ることが魚突きの第一歩。魚屋、スーパーの鮮魚コーナーで、切り分けた身ではなく、丸ごと氷の上に並んでいる魚を見て覚えることが大事。

 比較的場所を選ばず生息し、浅場にも多く動きが緩やかな魚はカワハギ、メバル、カサゴです。初めての魚突きなら青ヤス、竹ヤスといった下に紹介する道具で獲る事ができます。

 獲っても毒のある魚だったり、まずい魚だからといって無駄な殺生にならないように、写真、獲り方、つり方、食味を掲載しているサイトを紹介します。

市場魚貝類図鑑
食べられる魚の掲載数は日本一といっても過言ではありません。「流通しない魚でも美味しさを知ってもらいたい。」握り鮨のコーナーが大好きです。

MOGULER'S DELIGHTのEncyclopedia。
実際に自分で獲った魚のデータ、獲り方と難易度、食べてみた感想について揃っています。

WEB魚図鑑の危ない魚
危険な魚が釣り上げた時の写真とともに掲載されています。毒を持たなくても背ビレや胸ビレ、鋭い歯や頑丈なアゴを持つ魚にも注意が必要です。獲ってから指を噛まれて数日間痛みが抜けなかった人もいます。

必要な道具について

Q. 魚突きに必要な道具を教えて下さい。
A. 体を水温と傷から守るウェットスーツ、浮力を相殺するウェイトベルト、手足を守るグローブとブーツ、推進力を得るフィン(足ヒレ)、水中マスクとシュノーケル、そして魚を獲るための手銛を揃えましょう。

ウェットスーツ

 水の冷たさから身を守るだけではなく、磯の岩や珊瑚などで怪我をしないためにも必要です。お風呂やプールに長く入っていると指がふやけます。

 柔らかくなった肌はちょっとひっかけただけでもスパッと切れてしまいます。また岩で切り傷を作ると、ナイフなどの鋭い刃物で切ったときよりも傷口がぼろぼろになり、なかなかきれいに治りません。

 基本の厚さは5mm。薄手のもので3mm、厚くなると6.5mmまであります。

 生地は切れにくく丈夫なジャージ生地。最もポピュラーでスキューバダイバーにもよく利用されています。

 切れやすく繊細な扱いが必要ですが、保温性が抜群のスキン生地というのもあります。厚手の良く伸びるゴム生地といったものです。とてもつるつるした表面なので、水の抵抗も少ないです。

 イラストのタイプは2ピースといって上下が分かれています。ロングジョン(下)を履いて肩までかけ、ジャケット(上)をフードごとすっぽり被り、股がけでしっかりと留めます。

 この他、上下一体型のワンピース、フードが無いジャケットなど様々。真冬を除けば5mmのタイプでおよそカバーできます。厚くすれば保温力が上がる反面、浮力が大きくなります。ウェイトも増やさなければなりません。

 ウェットスーツのチコでは製作例が多く写真付きで紹介されています。

ウェイトベルト

 保温のためのウェットスーツの浮力を相殺します。丈夫なベルトに1~2kg単位の鉛のブロックをつけます。とても重いので、持ち運びの際や腰に巻くときには充分に注意して下さい。万が一足に落としてしまえば骨折してしまいます。

 必要なウェイトの目安
 身長175cm/体重70kg 5mmワンピースでウェイト3~5kg
 身長160cm/体重60kg 5mmツーピースでウェイト4~6kg

グローブ、ブーツ

 岩場で足を切らないようにウェットスーツ生地でできたブーツを履きます。手にはグローブ、捕らえた魚のエラや背ビレなどで怪我をしないように使用します。もし手軽に軍手で始めたいと言うのであれば、表面が厚手のゴムになっている物がお勧めです。

マスク、シュノーケル

 それぞれ顔に合ったサイズを選ぶことが第一です。水中マスクは視界がよく開けているものが良いでしょう。シリコンやゴムのスカート部分が黒いものをお勧めします。カラフルなものや透明なスカートで、マスク内の光が入り込むと穴の中や暗い水の中では視界が悪くなります。

 シュノーケリングは口の大きさに合わせてマウスピースの部分が男性用、女性用と分かれています。

フィン(足ヒレ)

 ブーツの上から履いて、水面移動や水底へ向かって泳ぐための推進力を得ることができます。長さ40~50cmの一般的なものから、80~100cmほどのロングフィンがあります。

 はじめは一般的な長さのもので、柔らかく足や足首に負担の少ない柔らかいフィンを選びましょう。GULLのミューとブーツはとても使いやすく初心者に向いています。

手銛(ヤス)

 1番上の三叉のものが青ヤスと呼ばれるもので、釣具屋や海の家で売っている手銛です。誰もがここから始めます。短く手回しがよいのが特徴で値段も安価。柄が金属のものは中に海水が入り込み錆びやすいので、竹ヤスという柄が竹製のものが永く使えます。

 ゴムは弱くてすぐに切れてしまうことが多いので、予備のものを用意しておくと良いでしょう。

 2番目の手銛は片羽式です。三叉のヤスは、獲物を突いたらすぐに岩などに押し付けておかないと魚が逃げてしまいます。片羽式のヤスは銛先が貫通した後、羽が開いて魚が抜けない構造です。

 3番目はチョッキと呼ばれます。シャフトの先端に銛頭と呼ばれる銛先を丈夫な紐、緩衝材とゴムで取り付けます。魚を突いた瞬間に銛頭が魚体にひっかかり、紐のテンションのみで魚を捉えていることになります。身の柔らかい魚でもバラすことが少ない優れた構造です。

目串、鰓通し

 捕まえて締めた魚を腰にぶら下げる道具です。10cm程度のステンレスの棒の中心に穴が開けてあり、丈夫な紐かワイヤーを通した構造です。エラの内側から口へ通せば、T字になった目串が魚の口でひっかかります。

フロート

 捕まえて締めた魚をキープしておく道具としてフロートも有効です。

 海岸に良く落ちている漁網のボンテン(浮き)を使って自作することができます。色は黄色や明るいオレンジなど目立つものを使うことで、潜っている際にも自分の居場所を船にアピールしたり、一緒に潜っている人に知らせることができます。

 エラ通し、ロープ、ボンテンという構造でシンプル。突いて締めた魚のエラから口に向けてエラ通しを通し、腰か手銛のゴムにつけておきます。後は泳いでいるうちに魚はボンテンに向かってずれていきます。

 フロートには、丈夫で絡みにくい浮力のあるロープを取り付けます。ロープの長さは自分の潜る深度+αが必要です。あまり長いと取り回しが悪くなります。先端には手銛や腰に取り付けができ、かつ魚のエラから口まで通すことが出るようにエラ通しをつけます。エラ通しは30cmほどのステンレス棒の両側を折り返し、ロープ側にはサルカンを取り付けます。ボンテンとロープを取り付ける部分に取り外ししやすいマグロフックやハワイアンフックを付けておけば、海から上がって獲物を外すのに苦労しません。

スピアフィッシングジャパンカップでは下記の写真のように、大きさが20cm以上で黄色やオレンジなど、海上で目立つフロートの利用を義務付けています。



水深計付腕時計

 自分の潜っている深度と時間を計測することで、より安全に潜ることができます。また一緒に潜っている友人と海から上がる時間を約束しておきましょう。時間を過ぎてもあがってこない場合には海上保安庁118番に連絡するなど予め決めることをおすすめします。